2012年4月21日土曜日

LunaticStudio事務室 趣味&興味&関心


探査機『はやぶさ』は無事地球へ帰還。
パラシュートも開き、無事地上へ着地したことが確認されました。
位置情報を知らせるためのビーコンもきっちり発信&受信され、ヘリコプターで出た捜索隊が上空からカプセル着地点を無事確認。14日午後からカプセル回収作業に入り、日本時間午後四時過ぎに、無事カプセルを確保した模様。
ああ、良かった。ホントに良かったです。
 
落下地点は地元先住民アボリジニの聖地、なのだとか。この事実にも、何か、感じるものがあります。

今回もいくつか画像を。

●朝日新聞社

素晴らしいショット。今回のリエントリー関連の映像は各所で色々見ましたが、これが管理人的ベストショットですね。
朝日のカメラもレベル高いな。テレビ局より新聞社の報道の方がまだ見る価値があるかも。

七年かかって、はやぶさの最初にして最後の 『宇宙のおつかい』 はこうして完了しました。本当に長い旅路だったなぁ。

はやぶさとの最後の交信は 6/13 PM10:28。
その約30分後、カプセルを分離した『はやぶさ』は予定通りに大気圏へ再突入し、流星となって燃え尽き、塵となって地球の大気へと還りました
はやぶさの最後のミッションは 『大気圏内に再突入し、燃え尽きて消滅すること』。……何か切ない。

今回のはやぶさ本体の大気圏再突入時の軌道データは、地球への天体衝突時の軌道予測システムの参考データとして活用されるとのこと。つまり、地球へ隕石・デブリ等が衝突する場合に備え、大きな人的物的被害を及ぼすことがないように、被害をできるだけ軽減するために、このはやぶさの最期のデータが利用されるということですね。
ホントに、最後の最後まで人と世界のために尽くした� �星だったんですね、はやぶさって。本当の最後の最後まで、ありったけのパワー絞りつくして、血の一滴・肉の一片・骨の髄まで全て使い果たして、最後はお星様になったというか。
これぞ『運用』っていう単語のホントの使われ方。

●はやぶさのラストショット

カプセル分離後、大気圏突入直前のはやぶさが最後の最後に試みた地球撮影。これはインド洋上空で撮影された写真だそうです。勿論、画面左の白い球体が地球ですよ。日本は残念ながら右上の影になった暗い部分(夜の半球)にあるので見えません。

計5枚ほど撮影されたようですが、これはその中の一枚。対象物が画像として映っていたのは最後の撮影であるこの一枚だけだったようです。下部が一部切れているのは、ここでデータ送信が止まったから。リアルですね。ホントに最後の最後、ギリギリの崖っぷちで行われた最後の撮影だったんだ、って事がよく解ります。
これが、はやぶさが自身の目で最後に見た故郷の姿。はやぶさからの最後のメッセージです。

●管制室内の 様子


ショックの小さな子犬

相模原市にある宇宙研(宇宙航空研究開発機構)のはやぶさ管制室内の様子。中央やや右に立っているのが川口PM。
ほんと、規模の小さな狭い場所です。広さも設備も、NASAのSS管制室なんかと比べると、何だか申し訳なくなるほど。このスペースに、昨晩は、はやぶさ運用スタッフと代表取材のメディア関係者その他大勢が集まって、一時はイモ洗い状態だったんですよね。
こんな風に、最高とは到底言えない平凡な設備・環境の中で、スタッフは一生懸命頑張ってきたんだなぁ。頭が下がります。
カプセル切り離し直後の拍手喝采シーン、そして、無事帰還後、最後に技術スタッフがJAXAスタッフから花束送られたシーンはホントに感動モノでした。

NHKの� ��ュースで流れた、はやぶさが燃え尽きて消える瞬間の画像(動画)は、本当に素晴らしかったですね。
大気圏突入時の摩擦熱で融解分離したはやぶさ本体がバラバラに砕け散って燃え尽きていくその過程がよく解ります。はやぶさから切り離されたカプセルが、砕け散った本体の破片の流星群の脇をすり抜けて更に先へ先へと一直線に流れていく様も美しかった。カメラの動きと背景の流れるスピードを見れば、かなりの突入速度だったのだということがこれだけでもよく判ります。

オトナの事情により動画そのものをここで紹介することは出来ませんが、多分今日明日のニュースで何度も放映されるはずですので、ごらんになっていない方は是非どうぞ。美しいですよ。 (こっそりURL ttp://www.youtube.com/watch?v=VZdl_EHunHQ&feature)
やはりNHKは違いますね。現地に人員を送ることすらなく、当然大した映像も流さず、扱いもワイドショーのネタ以下の民放各局とは天地の差。


BBCのニュースでの報道も詳しく公平で良心的なものでした。なぜイトカワの岩石サンプル採取がはやぶさの目的なのか、イトカワの岩石サンプルの価値、はやぶさミッションの価値等含め、ザックリとですが公正に解り易く説明してましたね。
動画サイト等にかなり動画が上がってるようで� ��ので、興味のある方はこちらも是非どうぞ。
BBCに限らず、はやぶさに関しては、日本国内より海外の方が扱いは大きく、評価も高いです。高いと言っても、これが恐らく正常なのであって、日本のマスコミの扱いの酷さ・低さの方が、私にはむしろ異常に見えます。
日本という国はホント、こういう事に対しては非常に無関心且つ極めて冷淡ですね。

●落下したカプセル

白いのはパラシュート。パラシュートの左にある丸っこい金属質の円盤がカプセル、かな?
周りは砂漠状の荒れ地。岩と灌木が散在する以外はホントに何もないね。こういう風景は日本ではあまりないなぁ。新鮮です。暗いのは早朝の撮影だから。夜が明けるのを待って場所確認のためヘリで出て、落下場所の確認をした後、諸々の過程(アボリジニとの交渉等)を経て、午後、回収されたのだそうです。


雌犬はdesexed方法

断熱カバーが外れて一回り小さくなっているとのことですが、カプセル本体は無事着地。外れたカバーも、落下地点付近で無事発見、カプセル本体に大きな疵等はない、とのことです。まずは良かった。
専用コンテナに収めた後、18日に日本まで空輸、相模原に到着後、2週間後(予定)に開封とのこと。詳細な結果が判明するには数ヶ月から半年前後かかる見通し。

着地点はほぼ予定通りだったそうです。さすがだなぁ。
最初からトラブル続きで、散々運用スタッフの手を焼かせたはやぶさですが、最後の最後はお母さんの手を煩わせることなく、綺麗に終わって綺麗に逝きました。

●すばる望遠鏡がとらえた『はやぶさ』

日本の誇る、ハ� ��イのすばる望遠鏡が、はやぶさの姿をとらえていました。
あちらこちらに映っている光跡ではなく、画像のほぼ中央から下に向かってゆっくり移動する光点がはやぶさのようです。よーく注意して見てください。何度か見直すと「あ、これか!」と判ると思います。拡大画像より、縮小された画像のままの方が分かり易いかもしれません。

管理人自身は、夕方からNECの管制室ライブを見てました。
いよいよ突入時刻…となってからは和歌山大の現地からのネットライブと2窓開いて一緒に視聴。
和歌山大のライブで、見事、はやぶさの最期の勇姿をほぼリアルタイムで視聴できました。

その他のライブ放送も視聴を試みたんですが、どうやら視聴者が殺到したらしいJAXAのネット中継は早々にサーバーダウンで中断、YAC� ��NASAも激重で結局最後まで繋がらず、ニコニコ動画の生放送は定員オーバーで入室と同時に追い出されましたよ。開場と同時に入ったんですがね。そういや、ツイッターがキャパオーバーで落ちたのなんてはじめて見ました。
関連のライブ中継は、視聴者殺到で軒並みサーバーが落ちたり、繋がりにくかったり、という状況だったようです。
そんな中Ustreamが気を吐いてました。和歌山大の放送もUstでしたね。ここでは他にも個人勇士によるミラー放送をいくつもやってて、それらを渡り歩くことで、管理人もほぼ滞りなく最後まで突入&帰還の様子を見届けることが出来ました。時折かなり回線の状態が不安定になりはしましたが、まぁ、場所が場所だから仕方ないのでしょう。あの状況の中、ほぼリアルタイムでリエントリーの� �間を視聴できたのはとてもラッキーだったと思います。
まぁ、Ustはニコ動やJAXAのネット中継に比べればはるかにマイナーな発信メディアだったからと言うこともあるのだろうけれど。でも、マイナーとはいえ私の視聴してた放送は一時5万人近い大勢の人が同時視聴してたのですよ。全番組全視聴者数合算すれば、Ustだけで一体何人が見たことになるのか…

今回のはやぶさの大気圏再突入、日本国内だけでも数十万人の人が視聴したとか。凄いですね。
何故テレビで生中継やれなかったんだか…勿体ないことです。去年の皆既日食はあんなに大騒ぎして生中継したのに。
ホント、最近のテレビはつまらなくなりました。視点が身内の方ばかり向いていて、作る番組は視聴者側の興味のツボを外しまくりです。

おまけ
●昨日(2010.6.13)のGoogle Japanのトップ画像


トカゲは、男性または女性であればどのように伝えるか

気が利いています。さすがGoogle先生。
こういう機転の利かせ方が、今、情報発信者としてのマスコミに求められてるんだと思うんですけどね。

久しぶりに色々な意味で燃え上がれた一日でした。
カプセルの中身の有無について、早くも日本のTVマスコミは色々おもしろおかしく騒ぎ立てていますね。今までは『はやぶさ』の"は"の字すら報道しようとしなかったのに。
ま、でも、そんなのもうどうでもいいよ。そりゃ、中身が入ってれば嬉しいし、ホントに素晴らしいことだとも思うけど、たとえ中身が空だとしても、この計画をやった意義はある。

こうして無事還ってきただけで、このプロジェクト、大成功です。

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さ!
ということで、今晩はサッカーです。
この後、PM11:00から、初戦のカメルーン戦。試合終了まで見届けるとなると時間的にはちょっと遅くなりますが、勿論管理人は生視聴予定です。
明日の日記がどういう内容になるか…管理人本人も戦々恐々。
あまりにも腹が立って一言も書きたくねぇ!…なんて結果にだけはなりませんように。

まだまだ他にも色々言いたいことはあるけれど、まずは全力で戦ってください、日本代表。

全ての力を振り絞って最後まで全力で戦った『はやぶさ』のように、ですよ。

写真:産経・読売新聞・朝日新聞・東京新聞・毎日新聞

【おまけ】 何事も、メリハリつけるのが大事です 【科学技術にもっと光とカネを】


↑でも書きましたが。
カプセルの中身の有無について、早くも日本のTVマスコミは色々おもしろおかしく騒ぎ立てていますね。今までは『はやぶさ』の"は"の字すら報道しようとしなかったのに。

これで、もし、カプセルになにも入ってなかったとしたら。
マスコミの論調がまた妙な方向へ流れていきそうな気がして非常に不安…というかとても不快です。
イトカワへの着陸時、サンプル採取が失敗したんじゃないか、とマスコミからはやぶさプロジェクトが大々的に叩かれてたの、今でも覚えてますもん。
この後の世論次第では、『はやぶさ』の後継機『はやぶさ2(仮称)』がどうなるかも判らない。

地球から打ち上げられた人工の飛翔体が、月以外の天体へ着陸・離陸して再び地球へ還ってきたのは、� ��界で初めて。目的地イトカワまでの距離は、月までよりもはるかに遠い3億?、往復行程約50億?。それも、着陸・離陸を同じ姿のまま行ったのは、正真正銘はやぶさが世界初(アポロは母船から切り離された子機(小型探査機)が月へ降りた。しかも有人)。 
しかも、はやぶさは無人探査機。人の手に拠らず自己判断で自らの行動を決定し、自己判断で行動する、いわば宇宙探査機ならぬ宇宙探査"ロボット"です。
これまでやり遂げてきたミッションの数々の成果、もたらされた数多くのデータ、何より宇宙からこうしてちゃんと還ってきたこと、その事実そのものを評価して欲しいと思います。


仮にカプセルに何も入ってなかったからといって、「失敗だ」「無駄だ」「税金の無駄遣いだ」云々…という短絡的思考にだけは陥らないで欲しいですね。情報発信者の側も、情報受信者の側も。
「失敗は成功の母」。
数々の「不運」や「失敗」を、元々備わっている高い技術力と、運用スタッフの機転と粘り強さ、そして、持って生まれたはやぶさ自身の強運とで、「大成功」へと転換して見せたのが『はやぶさ』、なんですよね。

どうか、公平で正当な評価を。そして、もたらされた成果に見合うだけの公正で相応な対価を。
これまでの努力を無駄にしないために。苦労の末に手にした成果を「これから」に活かしていく為に。 今後の宇宙科学技術発展のために。

科学技術って、それなりに余裕を持った充分な予算がなければ、結果は出せないよ。
いかに超極貧低予算で血反吐吐いて頑張ってきた日本技術者達だって、その頑張りにも限度ってモンがある。 
ファミリー向け民間マンション1戸分の年間予算で人工衛星を作れって…いくらなんでもむりだろ、そりゃ…何考えてんだ、民主党。民間企業の新車一台の開発だってもっとお金かけてるよ。相場も常識も知らないのか、政治家さんたちは。
こういう部分にカネを出さない国家なんて、ろくなモンじゃない。一応先進国としては恥ずかしいですよ?

はやぶさを作ったのは日本の技術者達です。それも大企業の技術者だけじゃなくて、ホントに普� ��の、その辺にある町工場の職人のお父さん達がはやぶさ製作にはたくさん関わってる。不況対策だ、中小企業支援だって言うなら、その辺もうちょっと考えておくれ、政治家さん達。
ホントの技術を持ってるのはこういう人達だ。
今この国から技術力取ったら、多分、秀でたモノは何も残らない。

この不況に加え、元々が借金塗れの国ですから、予算削減は仕方のないことだと思います。
けど、削減して良い部分とマズイ部分がある。
首相の激励の言葉だけでは新たな人工衛星は作れない。口だけの賞賛では、新しい技術を確立することも出来ない。技術を確立させるには人と手間と資金が必要。お金がなければどうにもならない分野だってあるんです。
子供手当も良いけれど、こういう部分だって将来的・国家的 に見れば大事でしょ?
全部一律に、画一的に全分野削るのではなく、削る部分だけは思いっきり削り、逆に増やすべき部分は増やしていくようにしなければ、あらゆる部分が少しづつ地力を失って、いつか国家全体が弱っていく。
その辺のメリハリをきっちりつけましょうよ。

同じように予算を削るにしても、
立場の弱い、削りやすい部分からバンバン削っていくんじゃなくて。
無駄があるのに地位や立場上削りにくい部分からどうにかして削っていくのが政治の仕事!

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